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友禅のつづき~糊置き~
先日つくったもち糊で、
糊置きをしました。
糊置きの前に
青花で下絵を。
以前は、絹にしか染めたことが
ありませんでしたが、
今回はじめて木綿に染めてみようと
思っています。
絹と木綿では、染料自体が
変わってくるので、生地にどのくらい
定着して、発色するのかさっぱりわかりません。
上出来とはいえない糊で
ひさびさの糊置きも
恥ずかしいほど下手くそでいやになりましたが、
キャンバス地のような
厚手の木綿生地に、いったいどれだけ糊が
くいこんでくれるのかな、
なんて思いながら、ひさしぶりの
糊置きをたのしみました。
地入れは、この海草(?)のふのり
を、煮溶かして、お水で薄めてつかいます。
この大きな刷毛で生地の裏側に
たっぷり液をひいて、
タオルでしゅっとふき取って
わたしはコンロで乾かします。
この地入れで、置いた糊が
水分でふやけて生地の中にぐっと
食い込みます。
色差しもすこししました。
生地の裏に引っかかっている
木の棒は、伸子や、こばり(子針?)といって、
生地をぴんと引っ張ってくれます。
この棒の先には、針がついていて
刺さるととても痛いので、
こどもたちには決して触らせないように
気をつけて置いています。
このお道具たちは、
友禅の工房にいたときにいっしょに働いていた
先輩の職人さんが
「わたしはもう使わないからもらってくれる?」と
わたしに譲ってくれたものです。
たくさんの伸子も、染料皿も。
お母さんみたいなあたたかい人で、
お部屋でふたりで色差しをしていると
窓からふわっと入る風に
「あ、今、栗の花が萌える匂いがした。」
とつぶやくようなすてきな女性で、
ふたりですごす時間がとても好きでした。
こうしてまた、たいせつなお道具を
つかえることがうれしいです。